【経営者・人事担当者向け】1on1の効果を最大化する方法!

【前頁までのおさらい】
人材流出を防ぎ、定着率を向上させる事で企業の業績は改善します。

定着率の改善は、社員の「スキル」「生産性」「顧客満足度」「売上」の向上と「人件費」「研修費」「ロス」等のコスト削減に繋がり、利益を創出する最優先課題です。

そして、人材流出の防止には、社員の心の状態を把握できる1on1(個人面談)が有効的です。

本記事では、1on1(個人面談)の具体的な導入方法や導入課題を解決する方法について深堀をしていきたいと思います。

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目次

●1on1導入の具体的な方法●

1on1の効果については、十分理解出来たと思います。

あとは、どうやって導入していくのかという点が気になりますね。

1on1を実施すのには、大きく分けて以下の3つの選択肢があります。

1.自社で内製化
2.支援ツールを導入して、面談は自社で実施
3.代行サービス(Web・対面式)

≪自社で内製化又は支援ツールの活用≫

支援ツール導入は、上司の面談スキルやスケジューリングをフォローするツールです。

最近はAIで自動化され利便性はかなりあるツールも登場しています。

しっかりと、使いこなせれば効果はあるものだと思います。

ただし、この記事の中の複数の課題を解決する必要があります

≪代行サービス≫

次の1on1の支援に代行サービスがあります。

こちらは、企業の人事担当者や上司の代わりに面談を代行するというサービスです。

「Webのみのサービス」と「対面式サービス」と2パターンあります。

コロナ下でテレワークが増え、WEB会議も何のストレスもなく出来るようになりました。

そういった意味では、WEBのみでも良いのかもしれません。


しかし、あくまで、ここからは、あくまで私個人の見解ですが、

関係性を作り、心の通った面談の実施には『間』や『呼吸』を読むことが必要だと考えます。

本音を話してもらえるようになるには、相手との信頼関係を築く事は大前提です。

もちろんWEBでも回数を重ねれば、信頼関係の構築は可能です。

しかし、あいての表情や間を読み取りやすい対面での面談は、WEBよりも相手との信頼関係構築の時間を大幅に短縮出来ます。

恐らく、既にテレワークに慣れている皆さんなら、イメージ出来るはずです。

相手の意図とは違うように、こちらに伝わり変な誤解を生んだり。

人格がリアルと違うように見えたりと…

それが原因で関係性が逆に悪くなったり。

ある研究結果では、人はデジタル画面に接している時、感情や人柄を司る前頭前野が働かないそうです

もちろん、それを上回るコミュニケーション能力があれば別ですが、全ての社員がそうではないはずです。

≪対面式面談のメリット≫

相手の表情を看ながら
相手の呼吸を計りながら
相手のペースを感じながらの面談は

・相手の話を聴き出しやすい。
・相手も話しやすい。
・関係性を作りやすい(特に初回は)


確かにWEBは移動の距離もなく、スケジューリングも簡単でメリットはたくさんありますよね。

しかし、表情が読みずらい、タイミングが計りずらい、などのデメリットは否めない感はあります。

相手の本音を聴き出す1on1。

対面式で実施する事をおすすめします。

もちろん、お互いWEBでのメリットも活用したいので、毎回、対面式にする必要は無いかとも思います。

初回又は2回目まで対面式でWEB形式に変更、その後は半年に1回は対面式くらいの形がおススメです。

●なぜ、外部委託サービスなのか●

1on1の効果については理解をしているが、なかなか実施するための工数を確保出来ない。

ここでは、1on1の「内製化が難しい理由」について述べさせて頂きます。

<面談の内製化が難しい4つの理由>

1.面談の工数を確保出来ない

◆採用活動で手一杯
1人1回あたりの面談時間は1時間~1.5時間(内容の伴った面談実施の場合)
フィードバックの報告書や個別相談等で1人当たりの工数は想像上にかかります。

現状、採用活動だけでかなりの工数を取られている人事担当者の方が多いのではないでしょうか。

◆余剰人材の配置も厳しい◆
人事担当者だけに限りません。

景況が決して良くない、このご時世で、工数のかかる仕事を新たに担当できる出来る余剰人材を抱えることが出来れば良いのですが、厳しいのが実情です。

2.やりっぱなし

さらに、面談の「やりっぱなし」になってしまう可能性も。

折角、聴き出した本音=会社の最優先課題です。

面談は目的ではなく、会社の課題を改善し、定着率を上げて、業績をあげるための手段という位置づけです。

つまり、大事なことは、その先です!

【最重要!】面談後のフォロー

◆報告&社内検討
◆課題改善
◆本人へのフィードバック
◆面談の継続

3.面談スキルの不足

一見、現場の経験や社風を良く分かっている人事の方や部署の長の方の方が向いているように思いますが、経験がある人に限って下記のような事をしていまう可能性があります。

【やっちゃダメ!こんな面談はNG】

【面談でやってはイケないこと】
1.本人の話を遮る
2.自分語りをする
3.つい指導をしてしまい、結局、本人の話を聴けてない
4.社内の環境や人間関係の悪口に同調する
5.無理やり発言や宣言させる
6.相手の話を全部聞かず上司の想像で話す

やってはいけない面談例

勘違いをしている上司に最も多い考え方。
「自分の役割は部下の指導をする事」だと…

確かに、入社したての新人や新しい部署に異動して来たばかりの人材には、そういう上司は「頼りがい」があります。

でも、それはあくまで仕事のテクニカルな部分だけで十分です。

もちろん、既存社員に対しても自分の今までの経験を伝授する役割はあります。

それは、普段の職場では必要な事かもしれませんが、1on1面談では全く必要のない事です。

1on1の目的は「相手の話を聴き出すこと」

つまり上司が主役ではなく、部下が主役なのです。 

部下が9割がた話、上司は聞き役に徹する事が大事な場でもあるわけです。

そこに、上司の武勇伝や自分語りは必要ないですよね。

また、最悪なのは部下の会社に対する愚痴に同調してしまう事です。

社内の環境や風土を良くすることが1on1面談の目的です。

そこで指導までする必要はありませんが、部下に同調し一緒になって悪口をいうのは禁物です。

必要なのは「共感」です。

共感し、一緒に改善を目指して行こうというスタイルが部下にも「自分事にさせる」チャンスにもなります



「よし!頑張るぞ!」
「なんか、元気になった」
「進むべき方向性がなんとなくわかった」

まずは、この状態にすること、この繰り返しが大事になってきます。

4.本音を引き出す障害

【本音の聴き出しの障害とは?】
1.利害関係のある上司には本音を言えない

「同じ社内の方や特に上司には本音を言えない
「例え、本音を言うにしても言葉遣いや伝え方を気にして全て言えない」
「とりあえず、建前はイイこと言ってれば評価に響かないかな」
これはクライアント様の社員から良く耳にする意見です。



評価制度のある会社で評価面談とは別で上司との1on1を実施している企業でも
「仕事で困っていることは相談できても人間関係のことまではちょっと…」という社員は多いようです。

評価制度自体は、ロジカルに作られていますが、評価するのは人です。

そこには、評価者の感情が入っていることは誰もが分かっている事です。

正直、私もサラリーマン時代には、利害関係のある上司にはなかなか本音を言えない部分があり「かなり気を遣って」いたのを覚えています。

2.上司自体が「悩みの対象」

当然ですが、上司自体が「悩みの対象」になっている場合は、全く本音を話さないですよね。

本音どころか、アイスブレイクでプライベートの話を聴こうとしても、最初から壁を作っているので崩せないでしょう。

私の知り合いの企業では、面談になると決まって急な仕事をいれる社員がいます。

「嫌いな上司とは話したくない」そうです。

これでは、1on1の本来の目的を達成出来ませんね。

また、上司に自覚がない事が非常に多く、会社も把握出来てない場合も。

これがサイレント退職につながり、退職後に大きな問題になるケースもあるようです。

●まとめ●

◆1on1を実施すのには、大きく分けて以下の3つの選択肢がある
1.自社で内製化
2.支援ツールを導入して、面談は自社で実施
3.代行サービス(Web・対面式)

◆継続性があり・効果的な1on1は自社での内製化が難しい

◆面談の内製化が難しい4つの理由
1.面談の工数を確保出来ない
2.面談のやりっぱなしがい頻発する
3.面談スキルの不足
4.本音を引き出すための障害

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