人件費コントロールの最重要ポイント!

人件費コントロールの最重要ポイント

こんにちは。

飲食店コンサルタントの高橋真己です。

今日は、少し真面目な話。

飲食店における人件費コントロールについてお話をします。


利益を出すには、売上もあげることが第一前提ですが、同時にコストもコントロールしていく必要もあります。

しかし、ここで間違えてはいけないことは『適正なコストかどうか』というのが判断基準だということです。

人件費も原価も、お客様に価値を提供するための適正値があるはず。

この適正値を大幅に下げてコストコントロールすれば短期的には利益は出ますが、長期的にみればお客様の満足度は下がります。

当然、客足は遠のき、評判が悪くなるので、売上が下がってしまいます。

そうなれば、利益を確保するどころか、赤字に転落してしまいます。

そもそも、何のために商売をやっているのか。

もちろん、利益を出すためですが、大前提として『お客様に喜んでもらうこと』のはず。

この大前提を忘れずにコストコントロールをする事で、お客様、お店、スタッフの皆が勝者になるという話です。



【人件費コントロールの最重要3ポイント】

①工数の削減

まず、コントロールというと、単純に工数(使っている人の数や時間)を調整すればよいと考えがちですが、そうではありません。

もちろん、お客様がいない時間帯や曜日のシフトは最初から調整する必要がありますし、そのための『モデルシフト』の作成と活用は必須です。

さらに、お客様の入りが予想よりも少なく「人がダブついているな」と感じたときは、『早上がり』や『長い時間の休憩回し』などの工夫は必要です。

私が2店舗目の店長として配属されたばかりの事は、平日の客数が10人未満なんて日もザラにあったので、上記の施策を積極的にやっていました。

しかし、気を付けなければイケないのは、スタッフの不満です。

早上がりの回数が多くなり、休憩が長くなれば、当然、時給が発生しませんので、その分、収入が下がってしまいますもんね。

そこで、私は『賄い』大作戦をしていました。

時給1000円×3人が1時間休憩すれば3000円は浮きますので、その分、ちょっと良い、普段とは違う賄を無料で奮発するのです。
(これ、やるんだったら会社に事前に了解もらって下さいね)

あとは、時給は発生しますが、近所にポスティングかビラ配りなどに行ってもらいました。

さらに売上を上げる作戦で言えば、DMを書いてもらったり、SNS投稿してもらったり。

それから、徹底清掃!

普段できない場所の清掃とか、お店の周辺の清掃活動です。

それから、個人面談。(お客様が来たら中断)

とにかく、会社から預かっている、人件費。少しでも無駄にせずに、生産活動につながるよう工夫をすること。

暇だからと言って、店長も含めてダラダラ話しているのは、勿体ないです。


②スキルの向上

(1)単純スキルの向上

ここからは、更に踏み込んだ人件費削減の考え方です。

まず、必ずやって欲しいことは『スキル』の向上です。

もちろん、接客なら接客、調理なら調理という単体のスキルの向上は必須です。

仕事の『質』『スピード』を最大限鍛えます。

これは、ティーチングでビシバシ教え、出来たら褒め、一緒に振返りを繰り返して、人の教えられるレベルになるくらい教えて行きます。

この時に忘れてはいけないポイントがあります!

それは、『リターンオペレーション』『ラウンドオペレーション』のOJT教育です。 

簡単に言うと、『1WAY2JOB』

ホールだったら、
・料理を提供しに行ったら、ついでに空き皿をバックしてくる。
・洗い場に行ったら、ついでに備品をホールに持って帰ってくる。
・お水の補充をする時に、ついでに他の席にも気を配る。

キッチンだったら
F(フード)券通りに作成ではなく、複数卓の同じ商品を同時に作る
食材の補充に裏の冷蔵庫に行くのであれば、ついでに洗い物を持っていくなど

つまり、効率よく動ける『行動』と『動線』を教えること。

この『ついで』の積み重ねが全体の工数を削減できる訳です。

これ、放置では育たないことは分かると思います。

一度教えたから終わりでなないのです。

何回も何回も出来るまで伝えてあげる。

考えさせてあげる。

店長やリーダーの地道な積み重ねが、大きな工数削減に繋がっていきます!


(2)多能工化

そして、同時にやって欲しいことがあります。

それは『多能工化』です。

多能工化とは、複数ポジション出来るように育てることです。

これ、めちゃめちゃ大事な事です。

多能工化をすれば、今まで2人でやっていたことが、1人で同じレベルで提供出来るわけなので。

アイドルタイムやレイトタイム等、確実に人件費の調整が出来ます。

ここで大切な考え方は『同じレベルで出来る』という事です。

多能工化の効果は、まだまだあります!

それは、他のポジションの仕事の大変さがわかり、スタッフ同士、お互いに気を使えるようし、お互い教え合うので、関係性が向上し、より良いチーム創りにも繋がります。



③オペレーション(OP)の効率化

最後はOPの効率化です。

単純明快!

効率の良い動線になるように物の配置や仕組を変えること。

例えば、キッチンの冷蔵庫であれば、出数の多い商品の仕込み品を、一番手が届きやすい場所に変えるとか。
その商品の皿や付け合わせを近くに配置するとか。

1手、2手で提供出来るよう最大限仕込んでおくとか。

今まで袋から出していた、副商品や添加物を容器に入替え、手の届きやすい場所に配置するとか。

ホールであれば、遠めの席の近くに、トレンチや洗い物の一時置き場(サービスステーション)を配置するとか。

洗い場の置き場のルールをしっかり決めるとか。

工夫をすれば、効率が良くなり、工数が削減できます。



【人件費削減とは育成・効率化・仕組化です。】

どうでしたでしょうか?

今回はかなり実用的な内容だったと思います。

私も力が入り、ちょっと長めの文章になってしまいましたので、最後に理解しやすくまとめます。

【人件費コントロールの3ポイント】
①工数の削減
・モデルシフトの作成
・無駄な時間帯の早上がり・休憩回しの推進
・生産活動(売上を上げる活動)に振り分ける

②スキルの向上
・単純スキル
※質・スピードの向上(教えられるくらいのレベル)
※1WAY2JOB
・多能工化(複数ポジション)

③オペレーションの効率化
・物や食材の配置改善
・動線の工夫
・仕込品の工夫等


【メリット】
◆お客様満足度を下げずにコストを削減できる
◆従業員の満足度が上昇
・スキルの向上→成長感
・チーム内の関係性の向上(楽しい)
◆結果、サービス力が上がり売上も向上
◆スタッフ定着率が上がり求人広告費の削減
↓ ↓ ↓
継続的に売上を上げて、利益を出す事が可能!


今日はここまで。

長文を最後までお読み頂きましてありがとうございました。